診療科案内

乳腺疾患

乳癌の診断・治療はその専門性が非常に大切な領域であり、日々その内容は進歩しています。神奈川県西部地域では乳腺を専門とする医師のいる医療機関が少なく、私共の施設がその中心的役割を担っています。乳腺疾患治療方針は乳腺専門医の外科医を中心として、病理専門医、放射線専門医、撮影認定診療放射線技師、超音波検査技師と共に合同の症例検討会を毎週行い、チーム医療を行っています。

診断

初回の受診時にマンモグラフィ・乳房超音波検査、必要に応じて細胞診や組織診を行います。状況により、迅速細胞診を行い当日に確定診断をつけることも可能です。マンモグラフィの撮影は、認定マンモグラフィ撮影診療放射線技師を中心に施行しています。乳房超音波検査は体表臓器の認定超音波検査技師を中心に行っています。最近特に増加しているマンモグラフィ検診で要精査となった微細石灰化症例や非触知乳房腫瘤の診断に対しては、積極的にステレオマンモトームや超音波ガイド下による穿刺吸引組織診を行い、非触知乳癌の診断に実績をあげています。

手術・術後療法

手術は原則として本人に病名を告知し、乳房温存術と乳房切除術の利点・欠点を御説明し、患者様本人に術式の選択を委ねています。昨年度約70%の症例に施行した乳房温存術では、適切な切除範囲を見極めるため術前に高分解能乳房MRI検査を施行し、病変の拡がり診断を行い適切な切 除範囲を決定しています。さらに術中・術後には詳細かつ厳密な病理学的検索を行い、追加切除の必要性を病理医と共に検討しています。
また局所進行乳癌手術症例では、術後の乳房変形に伴う精神的・身体的なマイナス面を補う目的で、主として腹直筋皮弁を用いた一期的乳房再建術を形成 外科医と協力して行い、QOL向上に努めています。
切除した腫瘍組織は、免疫組織化学や分子生物学的方法により種々の予後因子の解析を行い、腋窩リンパ節転移の有無と併せて検討し、悪性度の高い症例や再発の危険が高い症例に対して、科学的根拠に基づきご本人・ご家族と相談の上、積極的に術後補助化学内分泌 療法を全て通院で行っています。
術後はこれらの薬物療法以外に、リハビリテーション科と協力して患側上肢の運動障害・肩関節拘縮の改善に積極的に取り組んでいます。また術前・術後の患者様に、看護師が中心となり精神的なケアをはかる体勢を整えるとともに、乳房切除後に必要な補正用品や下着の紹介をしています。

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進行・再発乳癌症例に対しても、化学療法・内分泌療法・分子標的療法・放射線療法を組み合わせた積極的な治療戦略により、約20%の症例で完全寛解が5年以上(脳転移症例で最長16年)と、良好な成績をあげています。
特に当科では進行・再発乳癌症例に対してハーセプチンを使用した分子標的療法を、薬剤承認前より臨床試験として行っており、症例数・治療成績から国内では先駆的・主導的な施設に位置づけられ、ハーセプチンと言えば東海大学乳腺内分泌外科と言われるまでになっております。
これら進行・再発乳癌症例の治療を行う際にも最新の科学的根拠に基づく治療を原則としつつも、患者様の希望や状況を充分考慮し、個々の症例にあわせて治療法を選択するテーラーメード治療を心がけています。
当科で行っている術後補助化学療法や、進行再発乳癌に対するハーセプチンを含む化学療法は、リクライニングシートやベッドを装備した外来化学療法センターで、専任の医師・看護師・薬剤師により安全で確実、迅速で快適な外来化学療法を行っています。
さらに当科では、新規抗癌剤など種々の薬剤の開発試験・全国規模の臨床試験にも積極的に参加しており、他の施設に比較して治療の選択肢が多くなり、 既存の治療が無効となった再発乳癌症例に対する治療成績の向上に務めています。このため再発乳癌症例領域においても神奈川県内はもとより国内でも、先駆的 な施設であると言われています。さらに薬物療法に併せて、転移性脳腫瘍に対しては脳神経外科と放射線治療科、転移性骨腫瘍に対しては整形外科および放射線 治療科と協力して、手術療法や放射線治療を積極的に組み合わせて、患者様のQOLを高めています。セカンドオピニオンも積極的に受け入れており、全国より相談に来院されています。
これらの再発治療以外に、術後長期経過症例における患側上肢の浮腫や、浮腫に伴う上肢の運動障害に対して、リハビリテーション科と協力しこれらの改善に積極的に取り組んでいます。
再発乳癌終末期症例に対しては、精神科医や緩和ケア専門看護師が中心の緩和診療専門チームが精神的身体的なケアを積極的に行っています。

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