良性疾患

良性疾患

■乳腺良性疾患

乳腺炎、乳腺膿瘍(にゅうせんえん、にゅうせんのうよう)

【症状】
急性期は乳房全体や一部の疼痛、発赤、腫脹、熱感を感じて受診されます。 また38℃以上の高熱が出ることがあります。慢性期になると急性期の症状は落ち着いて膿瘍(膿のたまり)を形成し、 時に自然に皮膚に穴が開いて膿が出続ける事があります。
【病気について】
多くは乳頭乳輪部から侵入した細菌感染によって起こります。出産後早期の授乳期や乳頭の陥凹している方に多いです。
【治療】
急性期は抗生剤を投与します。また小さな膿がたまっている場合はこの膿を吸引して経過を見ます。 大きな膿がたまっている場合は皮膚を切開し膿を出しさらに膿のたまっていた場所に管を入れます。 再発を繰り返す場合は局所麻酔下に膿のたまる部分を切除する事もあります。 (・うっ滞性乳腺炎:出産直後に乳房全体の腫れやむくみが生じ、乳房全体が固くなる状態です。 細菌感染に伴う物ではないため、積極的に授乳やマッサージを行い乳汁のうっ滞を取ることにより改善します。 痛みが強い時などは冷やすことによって乳汁分泌が抑えられうっ滞の程度を和らげる事ができます。)
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乳腺症(にゅうせんしょう)

【症状】
乳房の腫瘤や硬結と痛みなどを感じて受診される方が多いです。 これらの症状は月経前に強くなり、月経後に軽減することが多いようです。
【病気について】
この病名は乳腺に起こったいくつもの変化や状態に対してつけられた病名です。 つまり乳腺に正常とは異なった変化が見られるというものです。 この乳腺症の原因ははっきりしていませんが、エストロゲン(女性ホルモン)過剰を基調とした内分泌平衡異常によるものと考えられています。 また乳腺症だから乳癌になりやすいということはありません。そのため心配したり不安になったりする必要はありません。
【治療】
治療は多くの方に経過観察を行っています。しかし症状の強い方に対して薬物療法を行うことがあります。
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乳管拡張症(にゅうかんかくちょうしょう)

【症状】
多くは無症状で検診等の超音波検査で発見されることが多いです。 時に乳頭陥凹、乳頭周囲の固い腫瘤、乳頭からの分泌物を認めることがあります。
【病気について】
乳管(乳汁を通す管)が異常に拡張した状態に対してつけられた病名です。 拡張した原因には、1.乳汁の分泌過剰に伴うもの、2.乳管周囲の炎症に伴うもの、3.乳管内乳頭腫に伴うもの、などがあります。
【治療】
乳管が拡張しているだけであれば、経過観察を行います。 しかし異常乳汁分泌を認めたり、乳管内に腫瘤がある場合は拡張した乳管を切除する事があります。この切除手術は局所麻酔で行います。
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乳腺嚢胞、乳腺濃縮嚢胞(にゅうせんのうほう、にゅうせんのうしゅくのうほう)

【症状】
小さな物では無症状です。検診超音波で発見されます。しかし大きなもの(数cm)では、乳房に腫瘤を感じます。
【病気について】
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乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)

【症状】
小さな物は無症状で検査により発見されます。大きくなると「しこり」を自覚するようになります。
【病気について】
乳腺の良性腫瘍で最も疾患です。乳管や腺の成分(乳管上皮成分)とその周りの組織(間質結合組織)が同時に増殖した混合腫瘍です。
【治療】
細胞診や組織診ではっきりとした診断が付く、小さな線維腺腫は経過観察を行います。 初めからから大きい物(約4cm以上)や徐々に大きくなる物は局所麻酔により摘出します。
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葉状腫瘍(ようじょうしゅよう)

【症状】
乳腺線維腺腫と同様で、小さな物は無症状で検査により発見されます。大きくなると「しこり」を自覚するようになりますが、 痛みを伴うことは少ないようです。成長する早さは乳腺線維腺腫より早いことが多く、時に急速に増大します。
【病気について】
線維腺腫と同様であり、乳管や腺の成分(乳管上皮成分)とその周りの組織(間質結合組織)が同時に増殖したものです。 線維腺腫と似ていますが、間質結合組織の増殖が多く、さらに嚢胞部(お水のたまり)を含むことが特徴であるとされています。 線維腺腫と比較するとまれな病気です。 葉状腫瘍には「良性」「悪性」「良性と悪性の境界病変」など様々な性格の腫瘍が存在します。 「悪性」の場合は再発や転移をおこすこともあります。
【治療】
画像診断で葉状腫瘍を疑う腫瘍や急速に大きくなる腫瘍は完全に摘出します。大きな物は全身麻酔で切除することもあります。 顕微鏡で切除した腫瘍をよく調べて悪性を疑う場合は長期に経過観察を行います。
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乳管内乳頭腫(にゅうかんないにゅうとうしゅ)

【症状】
乳頭からの分泌物を認める事が多いです。「しこり」を自覚することは他の腫瘍性疾患と比較すると少ないです。
【病気について】
乳管の中にできた乳管成分から出来たポリープです。似た病気に乳頭癌があり、鑑別をする必要があります。
【治療】
乳頭癌との鑑別が必要なことから、まず細胞診や組織診を行います。良性疾患である乳頭腫と診断がつけば経過観察を行います。 しかし悪性を疑う場合は局所麻酔下に摘出してさらによく調べます。
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乳腺過誤腫(にゅうせんかごしゅ)

【症状】
小さな物は無症状ですが、大きくなると「しこり」を自覚します。
【病気について】
画像検査ではしこりのように見えますが、顕微鏡的にはっきりとしたしこりではないという複雑な病気です。 顕微鏡で見ると乳房の組織成分と同一、もしくは一部が欠損した組織からできあがり、その割合が大きく正常組織とは異なるものです。 脂肪性分を含むことが特徴とも言われています。
【治療】
過誤腫は良性の病気です。大きさに変化が無ければ経過観察しますが、徐々に大きくなる物は摘出することもあります。
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女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)

【症状】
男性の乳房が女性のようにふくれた状態です。乳頭部の軽い痛みを伴うことが多いです。多くは片側性ですが、両側に起こることもあります。
【病気について】
男性の乳腺が大きくなって女性乳房のように腫大した状態です。 原因には薬剤の副作用、女性ホルモンの過剰状態、男性ホルモンの不足、肝障害、腎不全、甲状腺機能亢進症などがあります。 しかしよく調べても原因がはっきりしないことが多いです。
【治療】
原因がはっきりしている場合はその治療を行います。原因がはっきりしない場合は経過観察を行います。 1年程で自然に改善することが多いです。症状が強い場合は内分泌療法や手術を行うこともあります。
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モンドー病

【症状】
乳房外側に突然感じる疼痛とその後の軽い痛みを伴う固い筋状のもの(楊子のような)を自覚します。
【病気について】
胸壁や乳房の表面の静脈に、炎症や血栓形成が起こった状態です。乳腺とは関係がありません。
【治療】
モンドー病とはっきりすれば経過観察を行います。約1〜4ヵ月で症状が改善することが多いです。
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