がんの進行状態を表すのに「病期分類」というのがあります。これは次の3つの要素を組み合わせて決められます。
これらを触診、超音波、マンモグラフィ、MRIやCTなどの検査で判定・評価します。
病期は0〜Ⅳ期まで5段階あります。しこりは小さいほどよく、リンパ節には転移がないことが理想です。「非浸潤がん」は0期に、またしこり(浸潤(がん)の大きさが2cm以下でリンパ節転移のない乳癌はⅠ期に分類され、この分類に入った多くの方が治っています。このようにがんの大きさは「浸潤がん」の大きさで評価をします。
肺や肝臓や骨など乳房から離れた臓器に転移があった場合はⅣ期となります。
すなわち病期の数値が増えるほど進んだ状態となります。
0期: 非浸潤がんはどのような大きさでも0期になります。
浸潤がんをⅠ〜Ⅳ期に分類します。
Ⅰ期:しこりの大きさが2cm以下。 |
Ⅱ期:しこりの大きさが2.1〜5cm。 |
Ⅲ期:しこりの大きさが5.1cm以上。 |
Ⅳ期:しこりの大きさにかかわらず、他の臓器(肺・肝臓・骨など)に転移している状態。 |
このように乳癌はその成長とともに、乳房から全身へ広がっていきます。
したがって治療前の検査は以下の(1)〜(3)を判定・評価する目的で行います。
(1)最初は乳管や小葉内で発生し、少しずつ大きくなり乳房内に広がっていきます。(原発部)
(2)次に大きくなったがん細胞はリンパ管を伝わって一番近くのリンパ節(通常は同じ側の脇の下のリンパ節)に行き、そこでしこりを作るようになります。(リンパ節転移)
(3)さらに大きくなるとがん細胞はリンパ管と血管の中に入り込み、血流により全身の臓器に流れていきます。(遠隔転移)
乳癌の診断は、細胞診や組織診で行われ、細胞診の結果はⅠ〜Vに分類される事があります。ときどき、この細胞診の結果と病期分類を混同する患者さんがいます。細胞診の結果はあくまでも良性か悪性の判断で、病期分類とは関係ありません。