退院後の生活
手術後の最初の外来はいつ頃ありますか?
退院してから2週間前後で外来に来院して頂きます。
日常生活で問題になる後遺症はありますか?
手術をした側の腕が上がりにくかったり、動かしにくかったりすることがあります。これらは自己リハビリを行うことで回復しますので、無理のない範囲で積極的に行って下さい。また担当医にも診察時にお話し下さい。それ以外では、手術をしていない側の腕を使うことが多くなるため、肩こりや首の痛みなどが出ることがあります。また長時間経過してからむくみが出ることがあります。
家事はいつからできますか?
ご退院後はいつからでも大丈夫です。ご自身の体調に合わせ少しずつ始めて下さい。
自転車や車に乗るときはどんなことに気をつければ良いのですか?
はじめて乗るときは長時間にならないようにしましょう。 車のシートベルトが傷にあたり痛みがあるときには、洋服の上からタオルをあててシートベルトを締めると痛みが楽になります。電車・バスにご乗車になる際は、からだを安定させることができるようでしたら、手すり・つり皮のどちらをご使用してもかまいません。
退院後、自宅でどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
(1)腕の負担を少なくしましょう
・重いものを長時間持たない。肘や手首に荷物をかけて持たないようにしましょう。
・肘枕をして寝ないようにしましょう。
・手・肘・腕・肩を締め付けるアクセサリーは身に付けないようにしましょう。身に付けた時に痕の付かないものであれば使用して構いません。
・夜寝る時などは、手術した側を下にせず、仰向けか手術した側を上にして休んで下さい。
(2)感染や炎症を予防しましょう
・急激な日焼けは避けましょう。
・ケガ、やけど、虫刺されは感染や炎症の原因になります。
これらを避けるために長袖の服を着たり、虫除けスプレーを用いるなどの予防的行動をとってみましょう。
・ガーデニング時や刺激の強い洗剤を用いて掃除をする場合はゴム手袋を使用しましょう。
・ケガ、やけど、虫に刺された部位が、赤くはれてきた場合には専門的な対応が必要になります。このような時は、まずお電話にて状況をお知らせ下さい。
手術後、専用の下着(ブラジャー)を購入したほうがよいのですか?
術前の入院案内時に看護師より説明があります。前開きのブラジャー(ワイヤーなし)をお勧めします。また入院中にも疑問があれば看護師にご質問下さい。
腕のむくみはいつ出るのですか?
センチネルリンパ節生検だけをお受けになった方は、ほとんどむくみの心配はありません。
リンパ節を多く切除した方はむくみが出る可能性がありますが、いつむくみが出るかはわかりません。むくまないように注意することが大切です。またむくみが出た場合は担当医にお申し出下さい。早期に対処することで改善することがあります。
傷を縫った糸はどうなるのですか?
体に吸収される糸を使っていますので抜糸はありません。また傷の表面に糸は見えません。
傷の表面のボンドはいつ頃とれますか?
ボンドは濡れても強くこすらなければはがれることはありません。そのため退院後に入浴して頂いても結構です。3週間ぐらいで少しずつはがれてきます。無理に引っ張ってはがしたりはしないで下さい。
ドレーンが入っていたところはどうなりますか?
退院前にドレーンを抜きます。ドレーンが入っていたところの傷は、数日でふさがります。ガーゼや絆創膏が汚れなくなったら、何も貼る必要はありません。
ドレーンを抜いた後に、胸やわきの下に液がたまることがあります。少量であれば自然に体に吸収されますが、量が多い場合は液を抜くこともあります。
今は手術後の傷を夫には見せることができないかもしれません。良いのでしょうか?
必ず見せなければいけないわけではありません。ご自身の気持ちが落ち着いて見せることが平気になったら夫やパートナーの方にお話をしてみて下さい。
退院後の性生活はいつからでも大丈夫です。傷を見せることに抵抗がある場合は、下着を身に付けてみてはいかがでしょうか。
性交時に痛みを感じます。なにか対応方法はありますか?
精神的な緊張や、抗がん剤やホルモン剤の治療により膣が乾燥しやすい場合もありますので、潤滑ゼリーなど、膣をうるおすもので対応する方法があります。
病院の売店、一般の薬局、通信販売で購入することができます。
夫やパートナーが手術後、配慮がないような感じを受けるのですが・・
夫やパートナーの方の中には、どのように声をかけたり、配慮すべきなのかが分からず悩んでいることもあります。一方的に責めたりせずに、会話を楽しむことから始めてみましょう。
手術後の治療は、いつ頃から始まりますか?
切除した腫瘍やリンパ節の顕微鏡の結果(病理結果)が出てからになります。
これらの結果が出るまでには、約1ヵ月かかります。結果が出てから、手術後の治療の必要性の有無や詳細について、担当医からご説明いたします。
手術後、どのくらいの問隔で定期診察がありますか?
一般的に手術してから2〜5年間は3〜6ヶ月に1回、以後10年までは半年〜1年に1回の診察や検査があります。
温存手術(部分切除術)は放射線治療が必要ですか?
一般的には多くの方が必要になりますが、必要でない場合もあります。
手術後の病理結果により(約1ヵ月後)、担当医から治療方針をご説明いたします。
ホルモン治療はいつから開始になるのですか?
手術を受けた方全員がホルモン治療を行なうわけではなく、病理結果により(約1ヶ月後)必要な場合としなくてもよい場合があります。手術後、担当医から治療方針をご説明いたします
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